抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,嫌気・好気循環方式の排水処理システムにおいて,生活排水のみを導入した系と生活排水とともにディスポーザ排水を導入した系における循環比の変更が処理水質および汚泥発生量に及ぼす影響を比較解析することを目的として研究を行った。その結果,窒素に関しては,ディスポーザ排水の導入によるBOD/T-Nの増加および嫌気濾過槽におけるORPの低下により,生活排水系と同等以上の窒素除去率が期待できると考えられ,循環比を6に設定することで最も窒素が減少する結果となった。BODに関しては,両系ともに循環比の増加とともにBOD除去率は増加し,循環比を4に設定した場合に最もBODが減少する結果となったが,循環比6では嫌気濾過槽における生ごみ固形物の可溶化量が増大し,処理水BOD悪化の原因になると考えられた。また,循環比の変更に伴い変化する処理水BOD濃度と有機炭素成分である炭水化物,蛋白質,脂質の各濃度との間には相関があると考えられたため,循環比の設定により嫌気槽の状態を調整することにより処理水BODの低減に繋がることが期待される。BOD-SS転換率に関しては,生活排水系では循環比4または6で,ディスポーザ排水導入系では循環比6で最もBOD-SS転換率の低減が確認された。これらの結果から,嫌気・好気循環方式生活排水処理システムにディスポーザ排水を導入する場合には,生活排水のみを処理するシステムより,排水の高度処理化および汚泥転換率の低減化に対し,循環比の影響を大きく受けると考えられるため,ディスポーザ排水導入時においては,生活排水処理システムとは異なる循環比について検討する必要があると考えられる。(著者抄録)