抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年の北極海における海氷激減は,ベーリング海峡から流入する温暖な夏季太平洋水による海氷生成抑制と,それに伴うボーフォート循環の強化に起因する(Shimada et al.,2006)。特に2002年以降,ベーリング海峡からの熱フラックスは増加し(Woodgate et al.,2006),2005年,2007年と衛星観測史上,海氷面積の最小記録が更新された。2007年のチャクチ海では,8月におしょろ丸(北海道大学水産学部)が12~15°Cの水塊を,衛星センサAMSR-Eが12月20日まで開水面の存在を確認しており,今後も海氷量の減少が予想される。このような背景から,北極海の海氷変動を理解する上で,ベーリング海峡由来の熱フラックスの把握は喫緊の課題である。しかし現時点では,数点の係留ブイ観測,または間欠的な船舶観測のみが展開され,これらのデータは時空間分解能が乏しい上に,観測から公開までにタイムラグが生じる。従って目前で起こる海氷変動を理解・予測するためには,(準)リアルタイムでの継続した熱フラックス推定が必要である。そこで今回は現場/衛星観測データセットを用いた,重回帰モデルによるベーリング海峡東部の熱フラックス推定(開水期のみ)を行ったので,その結果について議論する。(著者抄録)