抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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船舶の船体は鉄でできているため,船内LAN構築手段として無線は制約が大きく,PLCに対する期待が大きい。また,大型貨物船では,あじろがい装ケーブルが使用されており,そのがい装は船体に接地されていて同一のグラウンド電位が船内の至る所で取れる。このために,コモンモード(COM)伝送を併用しても不要輻射を起こすことなく通信容量を増加することが可能である,といった船舶の特徴を利用した伝送方式も提案されている。本稿では,大型貨物船内PLCネットワーク設計を目的として,ディファレンシャルモード(DIF)およびコモンモード(COM)で伝送した場合の平均信号減衰量をモデル化した。典型的な2隻の船の冷凍コンテナ電力線系統で調査した伝達関数の平均値TFは,両モードとも伝搬経路の分岐数と経路長で1次近似できることを示した。近似誤差の平均値は4dBであった。得られた近似式から.同じ経路の場合にどちらのモードの方が減衰が少ないかを検討した結果,分岐数が少なく,かつ経路長が短い領域においては,COM伝送のほうがDIF伝送よりも信号減衰が少ない傾向にあることを明らかにした。この傾向により,居住区では通信相手によって,より良いモードを選択する等により,通信容量の増大が期待できる。一方,冷凍コンテナ系統のように長尺かつ多分岐の領域ではDIF伝送の方が有利であると言えることを明らかにした。