抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
富士山および箱根火山での膨張歪の経年変化と低周波地震の経年変化とを比較して,膨張歪と低周波地震活動との関連性を検討した。富士山周辺では2006年以降,膨張歪が継続的に観測され,その傾向は2008年以降,顕著になっている。その歪の増加傾向に合わせて富士山直下の低周波地震も活発化している様子が見られる。低周波地震のb値が小さくなっており,富士山直下のマグマ溜まりの圧力がたかまって膨張歪を生じさせると共に,低周波地震活動の活発化をもたらしたと推定される。一方,箱根火山周辺では2001年以降,顕著な膨張歪が3回観測されたが,低周波地震活動が活発化した様子は見えない。箱根火山の低周波地震の発生域が北西側の外輪山の直下の深さ20-25kmにあるのに対し,膨張歪の力源はカルデラの中心部をほぼ南北に連なる中央火口丘直下の深さ10-15kmにある開口割れ目と推定される。このように箱根火山では低周波地震の発生域と膨張歪の力源が異なることから,両者には関係が無いと考えられる。