抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
現在の日本の道路交通法では,踏切通行時の一旦停止を義務づけているが,ヨーロッパやアメリカでは行われていないことから,これを解除することによって渋滞緩和等に効果があるとの意見がある。一方,直前横断(踏切警報音が鳴動してからの自動車の無理な横断)の発生可能性が高くなることの懸念もある。そこで,踏切通行時に一旦停止を行わない場合,踏切通行の安全性にどれほどの影響を及ぼすのかについて,本研究では,踏切警報音の鳴動開始時点からのドライバーの行動観察結果をもとに検証した。実験の結果,踏切警報音の鳴動開始時点において,車速が高いほど停止判断を行うドライバーが多いが,行為の結果が踏切手前でブレーキを踏んでも停止できない割合が高くなることがわかった。特にこの傾向は,警報音鳴動時点に自動車が中間ゾーンにいた場合に顕著であった。したがって,直前横断の発生を予防するためには,ドライバーに対して遠い位置から減速・停止行動を促すよう,踏切の存在を示す注意喚起が必要であるといえる。また,踏切警報音が踏切通過前のドライバーに停止判断を促す効果は,車速によって差がみられることから,音の刺激だけでなく,予告信号のような視覚による注意喚起と組み合わせた対策を講じることがより有効と思われる。