抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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1 門川町鍋崎地先における2009年春のクロメ幼体加入量は少なく,魚類の採食により生育数は経時的に減少してゆき,11月にはほぼ全滅したが,ウニ類の生息状況に変化は認められなかった。2 門川湾では2009年1月から3月の間にも過剰採食が進行し,2010年1月にも唐船バエ周辺で過剰採食の発生が認められるなど,門川湾における植食性魚類の蝟集,クロメ採食の時期がこれまでの秋~冬季と比べて長期化し,秋~春季に及ぶようになっている可能性がある。3 門川湾において2009年にクロメを採食した最も主要な魚類はアイゴで次いでブダイ,イスズミ類の順であると考えられた。4 鍋崎の日間最低水温は,過剰採食に至らなかった年では11月末までに20°C以下に,1月初旬までに17.5°C以下に低下したのに対し,過剰採食に至った年では概ねその傾向は認められなかった。また,2010年2月と3月には,18°C前後の水温が持続した期間があり,これが2010年春季にも過剰採食が発生した一つの要因として考えられた。5 門川湾においては,近年冬~春季の水温が高い傾向にあり,このことが魚類のクロメに対する過剰採食を長期化させたこと,近年連続して起こった過剰採食により母藻量が減少し,加入クロメ幼体量を減少させ,クロメ1個体にかかる魚類の食圧を増大させたことが,藻場の消失や回復の制限に関する重要な要因であると考えられた。(著者抄録)