抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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水蒸気と水の混合噴流洗浄は,清浄水蒸気と常温水を混合し,超音速ノズル内で加速し,被洗浄物に噴射することにより洗浄する。水蒸気は超純水を電気加熱で生成し,水蒸気タンク内圧力はゲージで0.5MPa程度,ノズル入り口部でも0.1MPaである。加圧窒素により常温超純水をノズル内に圧送し,水蒸気と水を混合する。圧力が0.1MPaで,ノズル出口から10mmの位置で計測すると,水流量の増加に伴い,液滴速度低下,液滴径増加が見られるが,傾向はキャリア気体が空気と蒸気の場合で大差なく,液滴速度が200~300m/sec程度,液滴径が15~25μm程度であった。アルミ試験片に長時間噴射し,表面粗さ変化を測定すると,水と蒸気の混合噴流の場合,表面は大きく変化したが,空気と水の場合はそれほど変化しなかった。蒸気と水の場合,周囲水蒸気が液滴へ凝縮可能で,液滴は高速のまま衝突する。また,対象物表面での液膜形成が予想され,洗浄液が確実に浸透し,高速液滴衝突の物理力で洗浄できるのではないか。その際,キャビテーションなども関与していると考える。高速液滴が衝突すると,対象物を振動させる効果や高速サイドジェットが発生し,洗浄が行われるといわれている。半導体製造工程のリソグラフィで使われるフォトレジストの除去では,本手法の場合,除去時間が短く,ある程度の固まりで除去できる。高ドーズイオン注入後のレジスト剥離では,高温高湿雰囲気による前処理をしない場合,噴射領域のみが剥離し,顕微鏡検査では完全除去されていないが,前処理を行った場合,幅広い範囲で完全に剥離した。ドライエッチング後のポリマ除去では,蒸気利用により数百ppm程度の洗浄液で除去でき,洗浄液使用量が劇的に減少できた。ガラス表面に付着した皮脂や指紋の洗浄では,すべて除去され,油性マジックの線も除去した。