文献

J-GLOBAL ID：201102268348312700   整理番号：11A1522107

シトリン欠損症を診断するためのGC/MSベースの代謝学的アプローチ

A GC/MS-based metabolomic approach for diagnosing citrin deficiency

著者 (4件)： KUHARA Tomiko (Kanazawa Medical Univ., Dep. of Biochemistry, Div. of Human Genetics, Medical Res. Inst., Uchinada, 920-0293 ...) ,  OHSE Morimasa (Kanazawa Medical Univ., Dep. of Biochemistry, Div. of Human Genetics, Medical Res. Inst., Uchinada, 920-0293 ...) ,  INOUE Yoshito (Kanazawa Medical Univ., Dep. of Biochemistry, Div. of Human Genetics, Medical Res. Inst., Uchinada, 920-0293 ...) ,  COOPER Arthur J. L. (New York Medical Coll., Dep. of Biochemistry and Molecular Biology, 10595, Valhalla, NY, USA)
資料名： Analytical & Bioanalytical Chemistry  (Analytical & Bioanalytical Chemistry)
巻： 400  号： 7  ページ： 1881-1894  発行年： 2011年06月 
JST資料番号： E0425B  ISSN： 1618-2642  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： ドイツ (DEU)  言語： 英語 (EN)

抄録/ポイント： シトリンは,遺伝子SLC25A13でエンコードされた肝臓ミトコンドリアアスパラギン酸-グルタミン酸担体である。シトリン欠損症は,現在の治療の概念が初期の高アンモニア血症のためとは異なるため,多くの場合高アンモニア血症をもたらす。しばしば化学的診断と呼ばれる代謝産物レベルの診断は,直ちにあるいはタイムリーにシトリン欠損症を識別することに,常には成功しない。著者らは,前もって9家族の10人の患者にシトリン欠損症の化学診断を実施した。現在利用できるよりも,この障害のより迅速かつより正確な化学的診断を考案するために,これらの患者におけるガスクロマトグラフィー/質量分析ベースの尿メタボロームを再検討した。2~5ケ月齢の患者では,検出された顕著なバイオマーカーは,以下の代謝産物の一つ以上を含んだ:チロシン,P-ヒドロキシフェニル乳酸,Pヒドロキシフェニルピルビン酸,およびN-アセチルチロシン,ガラクトース,ガラクチトールとガラクトン酸,グルコース,グルシトール,およびシスタチオニン。これらのバイオマーカーは高齢患者ではあまり顕著でないが,アルギニノコハク酸シンテターゼ欠損症や他の高アンモニア血症では増加していない。最近認識された尿素サイクルの欠陥に関係する初期の高アンモニア血症の尿中バイオマーカーのα-ケトグルタルアミド酸(KGM)は,グルタミン,5-オキソプロリン,グルタミン酸,アスパラギン酸塩,およびアスパラギンの通常の尿中レベル(KGMの直接の前駆体)にもかかわらず,ここで調査したシトリン欠損症のほとんどの患者で増加した。オロチン酸,ウラシル,およびβ-ウレイドプロピオネート含む,高アンモニア血症の鑑別診断のために測定すべき他の重要な尿のバイオマーカーは,増加していなかった。シトルリンとシトルリン由来の代謝産物の存在は,すべてのケースで認められた。本研究は,選択された代謝産物または代謝産物のグループの分析とともに,その非侵襲性の尿のメタボロミクスが,以前に利用可能だったものより,シトリン欠損症のより信頼性が高く迅速な化学診断を提供し,他の高アンモニア血症症候群からこの疾患をより迅速に区別することを示すCopyright 2011 Springer-Verlag Translated from English into Japanese by JST.

シソーラス用語： *先天性代謝異常 ,  *GC-MS分析 ,  代謝産物 ,  高アンモニア血症 ,  尿 ,  解析 ,  バイオマーカー ,  アルギニノスクシネートシンターゼ ,  オルニチンサイクル ,  異常診断 ,  アミノ酸 ,  脂肪族アミン ,  脂肪族カルボン酸 ,  ウレア化合物 ,  第一アミン
準シソーラス用語： *シトリン欠損症 ,  メタボローム解析

分類 (2件)： 有機化合物の各種分析  (CC08034J) ,  代謝異常・栄養性疾患一般  (GD05010J)

物質索引 (1件)： シトルリン

引用文献 (40件)：

• Brusilow SW, Horwich AL (2001) Urea cycle enzymes Chapter 85. In: Scriver CR, Beaudet AL, Sly WS, Valle D, Childs B, Kinzler KW, Vogelstein B (eds) The Metabolic and Molecular Bases of Inherited Disease, 8th edn. McGraw-Hill, New York
• Kobayashi K, Sinasac DS, Iijima M, Boright AP, Begum L, Lee JR, Yasuda T, Ikeda S, Hirano R, Terazono H, Crackower MA, Kondo I, Tsui LC, Scherer SW, Saheki T (1999) The gene mutated in adult-onset type II citrullinaemia encodes a putative mitochondrial carrier protein. Nat Genet 22:159-163
• Palmieri L, Pardo B, Lasorsa FM, del Arco A, Kobayashi K, Iijima M, Runswick MJ, Walker JE, Saheki T, Satrústegui J, Palmieri F (2001) Citrin and aralar1 are Ca²⁺-stimulated aspartate/glutamate transporters in mitochondria. EMBO J 20:5060-5069
• Krebs HA, Gascoyne T, Notton BM (1967) Generation of extramitochondrial reducing power in gluconeogenesis. Biochem J 102:275-282
• Saheki T, Kobayashi K (2002) Mitochondrial aspartate glutamate carrier (citrin) deficiency as the cause of adult-onset type II citrullinemia (CTLN2) and idiopathic neonatal hepatitis (NICCD). J Hum Genet 47:333-341

タイトルに関連する用語 (4件)： シトリン欠損症 ,  診断 ,  GC ,  代謝学