抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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舎飼いから放牧への移行時期における乳成分の経時変動を検討した。ホルスタイン種泌乳牛8頭を供試し,舎飼い期3日分,放牧期9日分(放牧開始から1,2,3,7,10,16,30,44,58日目)の生乳を採取した。舎飼い期はコーンサイレージ主体飼養であり,放牧期は1日目から昼夜放牧を実施した。乳量,一般乳成分,乳中脂肪酸組成,レチノールおよびβ-カロチン含量を測定した。乳量に,採取日間で有意な差はなかった。放牧開始後3日間の乳脂率(4.64%)は,舎飼い期(4.14%)や放牧開始7日目以降(3.74%)と比較して高かった。同様に,放牧開始後3日間の乳中尿素態N濃度(21.2mg/dL)も,舎飼い期(12.6mg/dL)や放牧開始7日目以降(13.8mg/dL)と比較して高かった。乳中脂肪酸組成は大きく変動し,特に乳中trans-11 C18:1,cis-9,trans-11 C18:2およびcis-9,12,15 C18:3割合は,放牧開始から7日目以降は舎飼い期の2から5倍程度の値で高く推移した。レチノール濃度は放牧開始後から急激に上昇し,一旦低下するものの,その後は高い値で推移した。β-カロチン濃度は舎飼い期と比較して,放牧開始後3日間で差はないものの,徐々に上昇し,その後は高く推移した(4.8 vs 17.8μg/dL)。以上から,いくつかの乳成分は舎飼い期から放牧期への移行時期の短い期間で急激に変動することが明らかとなった。これらの変動は摂取飼料の急激な変化が乳牛の代謝に影響したことが要因であろう。(著者抄録)