抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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積層膜における膜構造およびその膜形成過程について検討した。積層膜材料には,膜厚方向に原料となるモノシランSiH
4とメタンCH
4ガスの流量比を様様に変化させて作成した非晶質(a)SiC:H積層膜を用いた。この膜に関して,上層膜作成時の基板温度を変化させた積層膜を作成して,下層膜が上層膜におよぼす影響について,Si,C,Hおよび電子欠陥などを含めた原子結合状態の分析から検討した。得られた結果から,積層構造における膜の形成過程を論じた。一層厚が数十nm程度の膜を含むa-SiC:H積層膜の上層膜に関して,同じ基板温度とガス流量比で作成しても,一層当たりの厚さを薄くかつ積層化すことにより,膜厚が比較的大きいバルク状の膜に比べると膜中のC-Si-H結合が増加し,またSiと結合するH量も増加することが分かった。上層膜とバルク状の単層膜では,膜成長過程が両者で大きく異なり,結果として膜を構成する原子のネットワーク構造の緻密性も大きく異なると推論した。従って,積層膜の作成では,常に下層が上層におよぼす影響を素子の種類毎に考慮して,それぞれの成膜条件の最適化を行うことが重要と結論した。