抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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炭酸塩岩と粘土質岩とでは,全有機物量に対するケロジェン含有率が著しく異なる。本研究では,グルコース+グリシン,グルコース+アラニンを用いたメラノイジン生成実験のそれぞれにモンモリロナイト,CaCO
3を加えた実験を行った。酸不溶メラノイジンの生成量は,モンモリロナイトを加えた系で最も高く,CaCO
3を加えた系では極端に低い。これは炭酸塩岩に含まれるケロジェンが少ない事実と一致する。一方,CaCO
3を加えた系では水素イオン濃度が低い(pHが高い)ことから,pHの増加とともにメラノイジンの生成量が増加するという既研究とは一致しない。すなわち,メラノイジンの生成がpH条件によって支配されるものではないことを示唆している。生成した酸溶解性メラノイジンと酸不溶性メラノイジンとの元素分析結果をファン・クレベレン図にプロットすると,反応時間の増加と共にメラノイジンのH/CとO/Cが連続的に変化し,最終的にII型とII/III型ケロジェンの領域に入る。リグニン等を出発物質としていない本研究で,アモルファス的な性質を持つにもかかわらずII/III型ケロジェンと一致する元素組成を持ったケロジェン様メラノイジンを得たことは注目に値する。