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J-GLOBAL ID:201202220584664727   整理番号:12A0558758

集団的に運動する微小管から創発する巨大な渦の格子構造

Large-scale vortex lattice emerging from collectively moving microtubules
著者 (9件):
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巻: 483  号: 7390  ページ: 448-452  発行年: 2012年03月22日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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一部の鳥や魚の群れに見られるような自発的な集団運動は,創発的現象の一例である。このような現象には現在大いに関心が高まっており,物理学者からは理論的考察がいくつも提出されているが,これまでのところ,これらの考察に対する実験による検証はなされていない。動物行動の研究の場合,現在では大規模なデータ収集が技術的に可能になってはいるが,いまだにデータは乏しく,それも,制御された実験によってではなく観察によって得られたものである。細菌のコロニーや組織といった多細胞の生体系の場合は実験の設定をより詳細に制御ができるが,多くの隠れた変数や相互作用があり,理論的考察の正確な検証が妨げられる可能性がある。しかし,細胞より小さいスケールの系,特に数種類の精製した要素だけを用いたin vitro実験ならば,そのような検証が可能かもしれない。基質に結合した生物分子モーターによってATP存在下でタンパク質フィラメントを駆動する運動アッセイは,高密度のモーターとそれに結合したフィラメントの集団運動を明らかにできると考えられる。最近,アクトミオシン系では実際にこれが明らかにされたが,そこで働いているメカニズムの完全な解明はいまだになされていない。今回我々は,基質表面に結合したダイニンによって微小管を動かす実験を行った。この系では局所的相互作用を調べることができ,衝突した微小管同士が,高い確率で互いの向きをそろえて整列することがわかった。密度が高いと,この整列の結果,長さ平均15μmの微小管が自己組織化して直径約400μmの渦が形成される。渦の内部では微小管が時計回り,反時計回りの両方に回っている。さらに長い時間スケールでみると,この渦が格子構造を形成する。この構造の創発は,数理モデルで確認されるように,1本の微小管の滑らかに蛇行するような動きと局所的な相互作用(衝突による棒状分子の配向)が組み合わさった結果であり,長距離相互作用は必要ではない。本結果が植物細胞の表層の微小管配列や生物系の他の状況にもかかわってくる可能性があるのはもちろんだが,今回の知見によって,これまで予想されていなかった普遍性クラスの集団運動現象が存在する証拠が得られた。Copyright Nature Publishing Group 2012
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分類 (2件):
分類
JSTが定めた文献の分類名称とコードです
蛋白質・ペプチド一般  ,  生物物理学一般 

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