抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,サツマイモの生産量は漸減傾向にあるが,焼酎用,加工食品用への用途拡大が進められている。そのなかで,高アントシアニン品種“アヤムラサキ”が育成され,食品素材としての活用が期待されている。従来,有色サツマイモを一次食品素材とする場合,蒸煮工程を経るαデンプンの状態で流通していたが,生いもから直接,細切・乾燥することでβデンプンのままで,かつ有用色素を保持させる乾燥方法を開発した。1)細切したアヤムラサキ塊根の加熱通風乾燥では,恒率乾燥期間があり,乾燥後の成分品質を考慮すると短時間で乾燥できる送風量は0.015m
3/s・kg(水)が適した。2)アントシアニン含有率は,送風量の大きい0.015m
3/s・kg(水)で高く,送風温度50~80°Cの範囲では乾燥後の歩留まり率は75~87%であった。定常送風温度としては,60°Cでアントシアニン含有率が高かった。3)アントシアニンを保持しつつ,デンプンを糊化させない品温を保つため,材料の品温上昇が緩慢な乾燥初期において,送風温度80°Cから開始し,短時間で品温を上げ55°Cで終了する降温操作が有効な一方法であった。4)回転通気式乾燥機での降温操作の有効性が得られたので,それをもとに農産物加工施設における乾燥処理工程を提案した。(著者抄録)