抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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苗場山ブナ天然更新試験地の30年間のデータを解析し,天然更新完了基準を検討した。試験地では1968年に5段階の強度(皆伐~対照区)での伐採,および5通りの林床処理(刈り払い,かき起こし,除草剤散布等)が行われ,1978年には残存母樹も伐採された。本研究では残存母樹の伐採から4年後の1982年と2008年の植生調査(各種の被度および最大高)および樹木の更新調査(稚樹密度および稚樹高)の結果を解析した。高木性の樹木が更新(2008年に高木性樹種の被度50%以上)する確率は,1982年当時の稚樹密度・稚樹高・植生高でよく説明され,ブナに対象を限定した場合では,稚樹の密度と高さのみでよく説明された。高木性樹種の更新の成功率は,稚樹の密度が20万本/ha以上,かつ植生が除去された場合にようやく8割を超えると推定された。各地の広葉樹天然更新完了基準では,稚樹高30cm,密度5,000本/haという例が多いが,この基準は低すぎると考えられた。伐採前に前生稚樹の密度を高める等の作業を行わない限り,天然下種によるブナ林の更新は難しいと考えられた。(著者抄録)