抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本論文では,LED照明の基本デバイスであるLED素子の高効率化技術を中心に,現状の技術と今後の課題について述べる。白色LEDは,基本的には青色LED素子と黄色蛍光体との組み合わせにより構成される.青色LEDの発光の一部は蛍光体に吸収され黄色光に変換される。蛍光体に吸収されずパッケージ外へ出射される青色光と蛍光体の黄色光とで白色光が合成される。白色LEDの効率は,励起用LEDの発光効率,蛍光体の発光効率,ならびにパッケージの損失などの要因で決まる。白色LEDの設計において,励起用LEDの波長と蛍光体の量子効率,波長を適切に選択することで,ストークスエネルギー損失を小さくすることが可能で,色温度,演色性の仕様を満たしたうえで,白色LEDの高効率化が可能である。現在,白色LEDは,理論限界に近い効率が得られ,製品化されているが,いまだ効率ドループ現象の本質が理解されていないなど,研究開発すべき課題が残されている。内部量子効率および光取り出し効率は,原理的には100%に近い値まで可能性があり,新たなコンセプトに基づき限りなく理論限界に迫る高効率・高出力LEDが提案されると期待される。一方,産業的には,LEDの低コスト競争が激化している。従来のサファイア基板の代替として大口径Si基板を用いることで,低コスト化を実現しようとする新たな試みも始まっている。このように,学術的にも工業的にも多くの開発課題が残されており,新たなイノベーションが期待される分野である。