抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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コグニティブ無線は,端末や基地局が周囲の環境や電波状況を感知し,その状況に応じて自動的に周波数や方式を切換える無線通信システムである。このシステムに対応する無線通信機の高周波(RF)部では,想定される様々な周波数帯や変調方式に対応するため,広帯域かつ高線形なデバイスが必要となる。このような要求を実現する上で,コンバータ回路はキーデバイスであり,様々な回路方式が提案されている。広帯域化のためには,ダイレクトコンバージョン方式によるSiGe-MMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)直交変調器が提案されている。高線形化のためには,インダクタ負荷を用いた回路方式や高機能バイアス回路の適用が有効である。インダクタ負荷は基本的に狭帯域特性のため,コグニティブ無線への適用は難しい。一方,高機能バイアス回路に関しては,微細化が進んだCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やSiGe-BiCMOS(Bipolar CMOS)では,高速なP型トランジスタが使用可能であるため,広帯域な特性が求められるデバイスでも高線形化を実現する有効な手法である。ここでは,直交変調器でベースバンド(BB)に対する広帯域動作時に高線形化を図る手法として,自己電流制御形ミクサ構成を述べる。この構成のミクサを用いることによって,ミクサの動作電流を出力電力に応じて自動的に変化させることを可能にし,高い線形性を得ることができる。また提案のミクサ構成に用いる帰還回路に高速なCMOSを適用することによって,信号における広帯域変調信号に対する動作も可能にする。自己電流制御形ミクサ構成をコグニティブ無線端末用SiGe-BiCMOS直交変調器に適用し,その有効性を確認した。(著者抄録)