抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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鋼鉄道橋は既に半数以上が経年70年を超えている。当初は,鋼桁上にマクラギを直接敷設した開床式が一般的であったが,この構造は橋まくらぎの下面が腐食しやすく,維持管理に手間を要する。鋼鉄道橋の架け替えには,線路の切換作業や用地の確保などが必要となる。そこで,既設の開床式桁を再生する方法として,橋まくらぎをコンクリート床板に置き換えて合成構造化する方法に着目し検討を進めてきた。この方法は鋼桁とコンクリート床板をずれ止めを介して合成桁のように一体化させようとするもので,床板に荷重を分担させて既設の鋼桁に加わる作用を軽減し,耐荷力の向上を図ることが期待できる。これまで基礎的な要素試験を実施してきたが,夜間の列車間合いでの施工も想定されることから,施工性も考慮した実物に近い桁試験体を用いて合成構造化の効果を検討した。その結果,合成構造化の試験体では鋼桁単体と比較して,弾性範囲内において,剛性が1.4~2.0倍に向上することが明らかになった。また,合成構造後の耐荷力は,鋼桁単体の耐荷力を降伏時で約1.2倍上回っており,降伏以降の変形性能も十分に有しており,急激な耐力低下も見られなかった。その他の試験データからも,合成構造化は十分可能であると考えられる。