抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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単独観測点データによる震央距離推定は,ネットワーク処理型の推定に比べ,一般に即時性が高いので,鉄道の早期地震警報の分野や気象庁の緊急地震速報などで広く活用されている。しかし,従来の手法では,P波検知後5s以内のデータが必要であり,また,断層破壊が時間をかけて成長する大地震の際,最初の推定後のマグニチュードの増大を考慮できず,マグニチュードを過小評価する可能性があった。そこで,震央距離推定の高精度化,高速化を目指し,P波検知後0.5sの上下動加速度の高周波成分(10~20Hz)を用いた推定手法を提案した。この手法では,高周波成分絶対値の包絡線に一次式をフィッティングさせ,その傾きを表す係数Cを用いて,事前に定めた係数Cと震央距離の関係式から震央距離を推定する。10000件以上のデータを用いた検証の結果,この手法による推定精度は従来手法に比べて平均して12%向上することが確認された。また推定に用いるデータ長は従来の2.0sから0.5sとなり,1/4に短縮される。以上により,この手法は,単独観測点データを用いた震央距離手法として有効と考えられる。