抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,パルスパワー技術や加速器技術の向上により,高エネルギー密度科学の研究が進み,高密度プラズマ生成・計測が小規模な実験室系でも可能となってきた。高密度プラズマの状態の一つとして,Warm Dense Matter(WDM)と呼ばれる物質の状態がある。WDMは,状態方程式や輸送係数モデルが構築されていない未開拓な領域であるが,慣性核融合などでその挙動を正確に予測するには,WDMの状態方程式や導電率を正確に知る必要がある。そのため,広帯域の波長を持つ短波長点光源を用いてWDMの透過計測を行うことが望ましい。このような高輝度,短波長の光源で用いられる技術として,X-pinchが挙げられる。X-pinchは,細線を交差させパルス大電流を流し,細線の交差部分に電流が集中することで細線がアブレーションするため,プラズマに流れる電流の自己磁場によるローレンツカによってプラズマが閉じ込められる。そのため,光源サイズの広がりを抑えられ,発光部分が小さい光源となる。本稿では,X-pinchによる高輝度・短波長光源を生成する高立ち上がりパルス電源を構築し,高輝度・短波長光源を構成する放電装置を検討した。高立ち上がりパルス電源では,3段のPFNを2並列とし,負荷に対して並列に接続すると回路のインダクタンスが小さくできることがわかった。パルス電源を用いた放電装置では,銅極細線をアブレーションした結果,放電開始から約200nsで4.5-7.0eVのプラズマ温度が得られていることがわかった。WDM測定に用いる光源としては,光源をより短波長化する必要がある。