抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
ブラッドオレンジ(Citrus sinensis)は,果肉がシアニジン系色素により紫色にも着色する。果肉の紫色の着色が濃いブラッドオレンジは商品価値が高く,シアニジン系色素は抗酸化能が強いが,果皮色等の外観からこの紫色の着色程度を判断することは困難である。そのため,ブラッドオレンジ果肉における紫色の着色程度の簡便かつ迅速な非破壊計測法の開発が求められている。本研究では,可視・近赤外分光法(500nmから1000nm)を用いてブラッドオレンジ果肉における紫色の着色程度の非破壊計測の可能性を検討した。可視・近赤外スペクトルは1果実につき品温を2段階に変えたものを含めて赤道部2カ所を高い非破壊計測精度が期待できる拡散反射モードで非接触測定した。一方,果肉の紫色の着色程度は測定部位ごとに0(無着色)~0.7の範囲(0.1刻み)で評価して目的変数とした。その結果,508nm,580nm,606nmおよび834nmの吸光度を説明変数として採用した場合に,重相関係数は0.87(n=48),RMSは0.09(n=50)であり,ブラッドオレンジ果肉における紫色の着色程度が,可視・近赤外分光法を用いて非破壊計測の可能性があることが示された。