抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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著者らは知識を使いこなせるようになるための活動として作問に注目し,作成した問題の自動診断結果に基づく作問学習の支援システムを研究している。本論文では,加減で解ける算数の文章題を対象として与えられた解法で解決可能な問題を,提供された単文集合中から取捨選択した単文を適切な順序に並べることで作成させる学習支援システム「モンサクン」を拡張した。従来は問題中に表されている事象の演算構造と答えを求めるための計算の構造が一致する場合の順思考型問題を対象としていたが,それらが一致しない逆思考型問題を解けることは算数の能力形成に極めて重要といえる。具体的には,1)計算式の決定,2)関係式の決定,3)物語構造の決定,4)問題文の決定といった作問タスクのうち4)しか扱っていなかったが,1)~3)を含む問題作りの課題設定を実現することで段階的な8種類の課題レベルを用意した。小学校4年生の算数の授業で実践的利用を試みたところ,7時限にわたる授業で90%の学習者が最終的に逆思考問題の作問をクリアできた。また,システム利用前後のプレ・ポストテストの結果からプレテストの成績下位群は本システムの利用によって問題作成能力が向上し,上位群でも難しい逆思考型問題を作成しようとする傾向が認められた。