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J-GLOBAL ID:201202288117287212   整理番号:12A1073087

東日本太平洋沖地震大津波が三陸沿岸地域におけるスギ林針葉の赤褐変化に及ぼした影響

Needle discoloration of Japanese cedar (Cryptomeria japonica) along the Pacific coastline of Sanriku, Japan, after the Heisei Sanriku Massive Tsunami with the 2011 off the Pacific coast of Tohoku Earthquake
著者 (3件):
資料名:
巻: 11  号:ページ: 33-42  発行年: 2012年06月 
JST資料番号: F0976B  ISSN: 0916-4405  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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2011年3月の東日本大震災では太平洋沿岸に大津波が襲来し沿岸の海岸林をほぼ壊滅させた。また震災直後に健全だった津波浸水後背地スギ林では時間経過と共に各地で針葉が赤褐化する塩害に起因すると考えられる現象が拡大した。ここでは三陸沿岸津波浸水後背地のスギ針葉変色の実態を現地踏査により把握しその原因を検討した。三陸沿岸の塩害範囲は津波到達箇所と概ね一致した。但し針葉の赤褐化は5月上旬まで認めらなかったことから休眠期から生育期に移行した後に変色が顕在化したとみられた。スギ林の津波到達箇所では土壌への海砂堆積や混入,土壌pHやECの上昇,水溶性および交換性Na+濃度の極端な増加が認められた。この結果は,海水が浸水した土壌にはNa+が過剰に付加され,それが塩として集積したことを示唆する。つまり土壌に過剰付加されたNa+は,そこに生育する樹木体内への塩分の過剰吸収,過剰塩分による養分の拮抗的吸収阻害,樹体内外の浸透圧差減少による水ポテンシャルの低下を誘引し,結果としてスギの針葉が変色した可能性が考えられた。日本の森林の多くは急傾斜地にあり,土壌改良材施用,耕起・砕土・弾丸暗渠施工などの除塩作業を農地同様に実施することは困難であるが,梅雨や台風等のまとまった降雨によって除塩を期待できる可能性は残る。津波浸水地における森林再生に向けて森林土壌の継続調査による土壌化学性の改善状況を把握することが重要となる。(著者抄録)
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分類 (4件):
分類
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森林生物学一般  ,  植物生理学一般  ,  自然災害  ,  土壌化学 
引用文献 (21件):
  • 土じょう部(1976)林野土壌の分類(1975),林試研報,280,1-28.
  • 本間 啓(1976)特殊環境地の植物,遺伝1976年2月号,41-46.
  • 星野大介(2011)東北地方太平洋沖地震津波による岩手県沿岸の海岸林と集落の被害状況,日本森林学会誌(投稿中).
  • 岩手県農業研究センター震災復旧・復興支援プロジェクトチーム・県北農業研究所(軽米町)(2011)岩手県における農地の津波被害の実態と対策,2011年度日本土壌肥料学会東北支部会岩手大会講演要旨集,17.
  • JA全農(2011)"東北地方太平洋沖井地震対策:津波による塩害対策と水田の土壌管理について", http://www.zennoh.or.jp/press/topic/PDF/20110329_1.pdf#search='塩害',(参照2011-11-22)
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