抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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太陽光エネルギーの化学エネルギーへの変換は,エネルギー創出の分野に関係する研究者にとっては究極的な目的である。この変換プロセスでは地球温暖化に関与するガスを放出せず,化学エネルギーは貯蔵が可能なので,必要なときに取り出して利用できるという利点がある。植物はこの変換プロセスを天然光合成(NPS)によって行い,水と二酸化炭素から太陽光の支援を受けて,酸素と炭水化物を生み出す。最適条件下におけるNPSのエネルギー変換効率は7%に達する。太陽光エネルギーの化学エネルギーへの変換に関して,もっと制御された技術は人工材料を用いて,NPSに勝る効率を目指した人工的な光合成技術である。太陽光によって駆動される水分解によって発生する水素は,清浄で,持続可能かつ豊富なエネルギー源となる可能性を秘めている。NPSに触発されて,現在では人工的な太陽光水分解装置が設計され,試験されている。分子および/またはナノ構造設計に基づく最近の開発によって,光誘起の電荷分離,および引き続く触媒に支援された水の酸化反応と還元反応に関する理解が進んできた。本稿では,人工の光合成素子の開発に向けた最近の進歩と生物学的な光合成との類似性を併せて概説する。概説では,可視光に活性なヘテロ構造の進歩に焦点を絞り,また基礎となる界面キャリヤの動力学の理解に必要な技術についても触れる。最後に,人工光合成技術に基づいて,将来における持続可能な水素燃料社会における展望を議論する。