抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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鉄道車両の車内騒音に対して,これまで吸音材や制振材を用いた対策や質量則による対策がなされてきたが,1kHz以下の比較的低い周波数の騒音に対しては効果が低い。そこで,鉄道総研では,壁面に対して,薄板(金属板)と圧電材料で構成された騒音低減パネルを取り付け,制御回路を接続することによって,壁面を透過する音を低減させる新しい騒音低減システムを開発している。本システムは,制御回路をインダクタンス回路として,圧電材料の静電容量との間で共振回路を構成し,共振周波数付近の透過音を低減する。本論文では,騒音低減システムの概要と新幹線車両のパンタグラフ下の天井内装板や主変圧器上の床板に対して本システムを適用し,騒音低減効果の評価を行った。天井内装板への適用試験では,走行状態において,車内騒音の200Hz近傍のピークの周波数帯域では最大5dBの低減効果が確認された。また,主変圧器から発生する騒音に対して,車内床面に騒音低減パネルを設置した適用試験では,定置試験ではパネル透過音の200Hzのピークが最大約3dB低減した。今後,制御対象周波数の広帯域化や車両に搭載するため本システムの更なる性能向上を進め,実用化に向けて取り組んでいく。