抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
メンブランフィルターへの固相抽出によるヒ素(III)及びヒ素(V)の目視分別分析法を開発した.ヒ素(III)とジベンジルジチオカルバミン酸(DBDTC)の錯体は減圧ろ過によって親水性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のメンブランフィルターに定量的に捕集された.ヒ素(V)は捕集されずにろ液へと移るが,L-システインを還元剤に用いてヒ素(III)へ還元することで同様の操作でメンブランフィルター(MF)に捕集された.ヒ素(III)錯体を捕集したフィルターに銅(II)水溶液を接触させると,MFは銅(II)錯体への変換によって黄色に着色し,色の濃淡によってヒ素の濃度を目視で分析できることが分かった.試料体積が5 cm
3の場合,目視での検出限界は2 μg dm
-3であった.また,反射吸収測定では0~20 μg dm
-3の範囲で直線の検量線が得られ,検出限界は0.2 μg dm
-3であった.遷移金属イオンによる妨害は,あらかじめpH 7.0においてDBDTC錯体を形成させ,この沈殿をろ過分離することで回避された.また,本法を河川水試料へ適用したところ,μg dm
-3レベルのヒ素(III)及びヒ素(V)の目視分別分析が可能であった.(著者抄録)