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J-GLOBAL ID：201302284583448058   整理番号：13A0529304

2011年における福島県の汚染された農地における収穫期イネの放射性セシウム濃度分布

Radiocaesium Distribution in Rice Plants Grown in the Contaminated Soil in Fukushima Prefecture in 2011

著者 (6件)： 田野井慶太朗 (東京大学大学院 農学生命科学研究科) ,  小林奈通子 (東京大学大学院 農学生命科学研究科) ,  小野勇治 (福島県農業総合センター) ,  藤村恵人 (福島県農業総合センター) ,  中西友子 (東京大学大学院 農学生命科学研究科) ,  根本圭介 (東京大学大学院 農学生命科学研究科)
資料名： Radioisotopes  (Radioisotopes)
巻： 62  号： 1  ページ： 25-29 (J-STAGE)  発行年： 2013年 
JST資料番号： G0494A  ISSN： 0033-8303  CODEN： RAISAB  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 福島第一原子力発電所事故に伴って降下した放射性物質により,農畜産物の放射能汚染が広がった。農産物の放射性セシウムによる汚染は,事故時には水田に移植されていなかったイネ(コメ)においても一部の水田で確認されたことから,その汚染メカニズムの解明が強く求められている。本研究では,2011年に500Bq・kg^-1付近の玄米が収穫された水田において,収穫期のイネと,そのイネが生育した水田土壌における放射性物質の分布を調べた。その結果,穂の直下の桿で他と比較して高い放射能が検出された。葉については,新しいものほどイメージング・プレートで検出されるシグナルが強く,放射性セシウム濃度も高いことが示された。比較対象として,土壌の放射性セシウム濃度はほぼ同レベルであるにもかかわらず玄米の濃度が検出限界(10Bq・kg^-1)未満であった地域で収穫されたイネの葉を解析したところ,古い葉ほど高い放射性セシウム濃度であった。これらの結果は,高濃度放射性セシウムが検出された当該イネは,出穂期付近である初夏から盛夏にかけて放射性セシウムを吸収した,若しくは体内の転流により放射性セシウムが新しい組織へと輸送された,いずれか又は両者の機構が関与した可能性を示すものである。(著者抄録)

シソーラス用語： 原子炉事故 ,  *イネ ,  *放射能汚染 ,  環境汚染 ,  *セシウム137 ,  セシウム同位体 ,  放射線防護 ,  水田土 ,  放射能測定 ,  濃度
準シソーラス用語： セシウム134 ,  福島第一原子力発電所事故 ,  放射能濃度

分類 (1件)： 環境の汚染及び防止  (MB02030K)

引用文献 (7件)：

• 文部科学省. 文部科学省及び米国エネルギー省による第2次航空機モニタリングの測定結果について, 平成23年6月16日文部科学省プレスリリース. eq.wide.ad.jp/files/110616plane2.pdf
• 橋本健. 福島第一原子力発電所事故後の茨城県産牧草を給与した牛の乳における放射性核種濃度. RADIOISOTOPES. 2011, 60, 335-338
• 大下誠一. 福島第一原子力発電所事故による低濃度放射性降下物に起因した土壌及び野菜の放射性核種濃度の測定-東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構における事例-. RADIOISOTOPES. 2011, 60, 329-333
• 田野井慶太朗. 福島県における降下した放射性物質のコムギ組織別イメージングとセシウム134及びセシウム137の定量. RADIOISOTOPES. 2011, 60, 317-322
• 津村昭人. 土壌及び土壌-植物系における放射性ストロンチウムとセシウムの挙動に関する研究. 農業技術研究所報告B. 1984, 36, 57-113

タイトルに関連する用語 (7件)： 福島 ,  汚染 ,  農地 ,  収穫期 ,  イネ ,  放射性セシウム ,  濃度分布