抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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東日本大震災時には,Twitterなどのソーシャルメディアは非常に有力なツールとして,情報の拡散や収集に用いられた。その一方で,誰でも情報発信が可能なため,多くのデマ情報が拡散された事が報告されている。東南海や首都圏での震災が懸念されている現在,正確で迅速に情報を拡散することは急務である。そこで,本研究では,まずネットワーク構造が震災によって情報伝播しやすい構造へと変化した事を示し,その影響がデマ情報の拡散を大きくする1つの要因であったことを示した。次に,Twitterの情報伝搬ネットワークのリンク数やノード数に影響されない構造に着目するため,ネットワークから構造の抽出を試みた。そのために,Twitterの情報伝播ネットワークの再現が可能なネットワーク生成モデルの提案を行なった.これにより,Twitterの情報伝播ネットワークと構造の類似した,リンク数とノード数を変えたネットワークを構築した。さらに,生成されたネットワークを用いて情報伝搬シミュレーションを行なった。これにより,ネットワーク構造の違いにより情報伝播能力に差があることを確認した。さらに,震災によって情報伝播ネットワークが情報を拡散しやすい構造に変化していたことを示した。次に,デマの拡散シミュレーションを行うため,情報伝播モデルをデマ情報を扱うことができるモデルに拡張した。拡張したモデルを用いたシミュレーションにより,デマを訂正する情報が拡散されやすくなっていることを確認した。しかし,デマ情報を信じたままのユーザは震災後の方が多く存在することが示唆された。