特許
J-GLOBAL ID:201303096840025670

物質中又は物質近傍の原子又は分子等の量子状態推定方法、量子状態推定装置及びコンピュータプログラム

発明者:
出願人/特許権者:
代理人 (1件): 西澤 利夫
公報種別:公開公報
出願番号(国際出願番号):特願2012-016133
公開番号(公開出願番号):特開2013-156796
出願日: 2012年01月30日
公開日(公表日): 2013年08月15日
要約:
【課題】物質中又は物質近傍の原子又は分子の量子状態を精度よく推定する。【解決手段】制御・演算部10はコンピュータプログラム11により、物質中又は物質近傍の空間を複数の3次元領域(セル)に分割し、各セルに対して正規分布関数を割り当て、基底関数として設定する。さらに空間にマッピングされた原子又は分子のポテンシャルエネルギーの離散フーリエ変換を行った後、各基本逆格子方向に並べた離散フーリエ変換データ列中の後ろ半分のデータを、データ列の前半分のデータの前に移動させて、離散フーリエ変換シフトデータを得る。数値変分法でシュレーディンガー方程式を解くためのハミルトニアン行列と重なり積分行列を基底関数と離散フーリエ変換シフトデータを解析的表式へ代入するのみで算出する。ハミルトニアン行列と重なり積分行列から永年方程式を解き、固有エネルギーを得て、波動関数を算出する。これにより、各種有用な物理量を算出する。【選択図】図1
請求項(抜粋):
データの入力部、出力部、記憶部及び制御・演算部を備えた装置が、物質中又は物質近傍に存在する原子又は分子のポテンシャルエネルギーに基づいて、前記物質中又は物質近傍に存在する前記原子又は分子の量子状態を推定する量子状態推定方法であって、 前記入力部にて前記物質中又は物質近傍の位置を特定するための3つの独立な基本ベクトルを受け付ける第1ステップと、 該第1ステップにて受け付けた基本ベクトルに応じて、前記制御・演算部が、前記物質中又は物質近傍の空間を仮想的に複数の領域に分割し、分割した各領域の情報を、各領域を識別する識別番号に対応付けて前記記憶部に各領域での原子又は分子のポテンシャルエネルギーを記憶させる第2のステップと、 前記制御部が、前記記憶部に記憶された識別番号により識別される領域の情報に基づいて、各領域にマッピングされたポテンシャルエネルギーの3次元離散フーリエ変換を行い、離散フーリエ変換データの各基本逆格子ベクトル方向に並べたデータ列の後半分を前半分のデータ列の前に移動させた離散フーリエ変換シフトデータを前記記憶部に記憶させる第3ステップと、 前記第1ステップにて受け付けた基本ベクトルに応じて、前記制御・演算部が、前記物質中又は物質近傍の空間を仮想的に複数の領域に分割し、分割した各領域に対して3次元正規分布関数を割り当て、それを基底関数として設定する第4ステップと、 原子又は分子のハミルトニアン行列及び重なり積分行列を、前記制御・演算部が、前記基底関数を用いた各行列要素の解析的表式へ前記記憶部に記憶された前記フーリエ変換シフトデータを代入して計算し、その結果を前記記憶部に記憶させ、その後ポテンシャルエネルギー超曲面の空間対称性に応じて各行列要素の値を補正し記憶させ直す第5ステップと、 前記第4ステップで設定された前記基底関数の線形結合を試行関数とする数値変分法にて、前記記憶部に記憶させた前記ハミルトニアン行列と前記重なり積分行列の行列要素を用いて、固有エネルギーと対応する前記線形結合の係数の組みを前記制御・演算部が算出し前記記憶部に記憶させる第6ステップと、 前記制御・演算部が、前記第6ステップで算出した前記線形結合の各係数を前記試行関数へ代入することにより、前記原子又は分子の量子状態を表す波動関数を算出し、固有エネルギーと共に前記出力部から結果を提示する第7ステップと、 を実行することを特徴とする量子状態推定方法。
IPC (1件):
G06F 19/00
FI (1件):
G06F19/00 110

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