抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
近年,過疎地における究極の交通手段として,オンデマンドバスが各地で導入されつつある。すでに導入されているオンデマンドバスの多くは予約乗合タクシーであり,顧客に合わせた最小限の交通システムとなっている。低予算で最大の効果をあげるように設計されている。しかしながら,実際にバスに乗り,車窓から見ると,高齢者,学童,中高学生,主婦,時間に追われて急ぐ人など,町は潜在的なバス利用客で溢れていることに気が付く。そこで,筆者は潜在的な利用者に対し,バスに乗る気を起こさせるツールを提供すれば,若者を含む多くの利用者のチョイ乗りが可能になり,バスの持つ固定概念である“バスは使えない”を駆逐し,バスが再び移動手段の主役に成り得るものと考えた。本論文では,バスに乗る気を起こさせるツールとして,予備知識なしに全ての年代の利用者が容易に使える“行き先別ささやきシステム”の構想を紹介する。提案システムは利用者が移動を思い立った時,望む行先に行くオンデマンドバスの位置を常に人間の五感の一つである音で知らせることにより,チョイ乗りを誘うものである。また,現在多くの人はスマートホンを持ち歩いている。スマートホンは通話機能ばかりでなく,個人認証が可能で,決済機能も充実している。GPSによる位置検出機能,振動センサー,傾斜センサーなど多くのセンサー機能を搭載し,アプリケーションソフトによる機能の追加,通信によるクラウドコンピューティング等通信による外部とのリンクが容易にできる特徴を有するようになっている。提案する“行き先別ささやきシステム”における重要な基本パーツとして考えることができる。本文では,最初にバスの新たな交通システムとしての可能性について考え,バスに乗る気を起こさせるツールとして,予備知識なしに全ての年代の利用者が容易に使える“行き先別ささやきシステム”の構想を示す。最後に,より現実的なシステムとしてのオンデマンドバスのルーティング方法を提案する。(著者抄録)