抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ハマジンチョウは,インドシナから九州西部まで分布し,果実は海流散布することが知られている。本報では,分布域を越えた地域での漂流発芽個体と漂流果実を報告した。2011年10月15日長崎県対馬氏厳原町阿連白浜においてハマジンチョウの漂着果実由来と考えられる高さ9cm,毛のある葉をもつ個体を発見した。その後の栽培により,この個体をハマジンチョウと同定した。対馬は,対馬暖流に運ばれてきた南方系の漂流物が多く漂着する場所であり,発見された海岸は対馬で最も漂着果実と種子の多い場所の1つであった。漂着物が打ちあがった部分で果実と種子を調査した結果,長崎市外海町小浜の浜,蚊焼町鯨浜および佐世保市宇久島においてそれぞれ1個ずつハマジンチョウの種子を発見した。対馬市阿連は,これまでの分布北限地から約120km北に位置する。この距離は,グンバヒルガオで明らかにされた分布北上の距離とほぼ一致し,地球温暖化の影響と考えられる。海流の流れから,宇久島と対馬市で発見された果実は,五島列島地域から対馬暖流により運ばれた可能性が高いと考えられた。