抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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先行研究において,ドライブレコーダに記録された事故映像とタブレット端末を用いたハザード知覚訓練を行った結果,ハザードの発見が早くなる,交差点に対する注視時間が長くなる,走行速度が落ち,確認が増えるなどの効果が明らかとなっている。しかし,事故映像は偶然にしか撮影できないため,訓練者が普段利用している道路など,特定の地点での訓練を行うことができない。そこで本研究では事故ではない通常の走行映像に交通他者をCG合成し,擬似的なヒヤリ・ハット映像を作成した。11名の実験参加者の自家用車にドライブレコーダを装着し,普段通りの通勤・通学の様子を記録した。続いて,実験参加者の通勤・通学経路上の映像で作成した擬似的なヒヤリ・ハット映像を用いてハザード知覚訓練を行い,主観評価を求めた。さらに,訓練後の通勤・通学の様子も記録し,訓練前の運転行動との変化を調べた。主観評価では,実験参加者は刺激映像がどの地点の映像か概ね理解しており,興味が持てる,役立ちそう,やってよかったなど,訓練に対して概ね肯定的にとらえていた。運転行動の分析では,訓練地点での分析区間通過時間には変化が見られなかったが,訓練地点通過時の交差道路に対する注視時間や注視回数は有意に増加した。CG合成を用いた擬似的なヒヤリ・ハット映像でも,実験参加者が日常的に走行している地点の映像を用いて訓練を行えば,注視行動を増加させる効果があることがわかった。(著者抄録)