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J-GLOBAL ID:201502206981510337   整理番号:15A0998763

X線自由電子レーザーで決定した光化学系II複合体の無損傷結晶構造と水分解反応機構

Radiation damage-free structure of photosystem II revealed by an X-ray free electron laser illuminates water splitting reaction mechanism
著者 (8件):
資料名:
巻: 28  号:ページ: 177-182  発行年: 2015年07月31日 
JST資料番号: L0956A  ISSN: 0914-9287  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 解説  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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光合成は光エネルギーを有用な化学エネルギーに変換する化学反応であり,地球上ほぼ全ての生物の生命活動を支えている。光合成の最初の反応は,分子量700kDaにも及ぶ膜タンパク質複合体である光化学系II(PSII)が光エネルギーを利用して行う,水分子の分子状酸素への光酸化であり,これはPSII内の酸素発生中心(OEC)によって触媒され,S-stateサイクルを経て進むことが知られている。PSIIの構造は放射光を用いたX線結晶構造解析法によって1.9Å分解能で解析され,OECの実体であるMn4CaO5クラスターの歪んだ椅子型構造や配位アミノ酸など周囲タンパク質の詳細な環境が明らかにされている。しかし,OHC中のMn原子がX線照射による還元を受けやすいことがX線吸収微細構造(EXAFS)測定によって示されており,放射光を用いた結晶構造解析で決定したMn-Mn原子間の距離はEXAFS測定や理論計算の結果より僅かに長いことが認められていた。放射線損傷を排除するため,我々はSACLAのX線自由電子レーザー(XFEL)と何百にも及ぶ巨大で同型な結晶を用いてPSIIのS1状態における無損傷構造を1.95Å分解能で解析した。放射光X線を用いて決定したものと比べるとXFELによって決定したOECではMn-Mn原子間の距離が0.1-0.2Å短くなっていた。Mn4CaO5クラスター中にあるユニークな酸素原子,O5の位置もわずかに違っていたが,周りのMn1D,Mn4Aとの距離が長い特徴は変わらなかった。XFEL構造にもとづき,水分解反応の開始状態では酸素発生中心を構成するMnの価数はMn1Dが+3,Mn2Cが+4,Mn3Bが+4,Mn4Aが+3であること,O5が水分解反応における基質分子の一つを提供している可能性があり,その化学種はOH-であることを明らかにした。これらの結果は水分解の反応機構を解明するための構造基盤を提供し,水分解の人工触媒合成のための設計図ともなり得ると期待される。(著者抄録)
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光合成 
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