抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高層気象台では,GRUANサイトへの登録を機に観測機器間の比較を目的として2009年12月に測風ライダーが整備され,下層大気の風の観測を行っている。この測風ライダーは距離分解能を30m・75m・150mのいずれかに設定することにより,それぞれ最大観測範囲600m・1500m・3000mの各モードで3次元の風ベクトルを観測できる。このうち,距離分解能75mのモードについては,星野・岩渕(2013)により視線方向のドップラー速度からVAD法により風ベクトルを算出し,水平風成分について独自の品質管理を行った結果について検証がなされている。本研究では,これまで評価が行われていなかった距離分解能30m及び150mの各モードも対象とし,測風ライダーの水平風について精度検証を行った。ゾンデとの比較からは,距離分解能30m・75mおよび150mモードの高度2000m未満の層についてはBIASは±1m/s以内,RMSVDは2m/s以内,平均風向差については20°以内の精度で水平風の観測ができることが確認された。また,中立成層時の風速の理論的な鉛直プロファイルを用いて風向風速計の設置高度における風速を推定し,実測値との比較を行ったところ,両者の整合性が高いことが確かめられ,測風ライダーで得られる境界層内の風速プロファイルの妥当性が確認できた。(著者抄録)