抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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冬季の低温により発生する‘せとか’寒害果の非破壊選果技術を検討する上で重要な果肉異常症状の特徴と症状の程度が異なる果実の作製方法について検討した。調査に用いたのは現地で発生した寒害果と人工的に低温処理によって得た低温処理果で,これら果実群の品質を比較した。現地で発生した果実群は正常果が49%,異常果が51%の割合で,寒害果の果肉部の異常症状としては苦味,粒化したさじょう,空洞がみられ,なかでも粒化したさじょうの割合が32%と高かった。また正常果と異常果の品質をみると,比重においてはSからLLの全階級で明らかな違いがみられたため,比重による寒害果の識別の可能性が示唆された。次に,正常な‘せとか’果実を5~-9°Cの条件で低温処理し,その後5°Cで28日間貯蔵することで,現地で発生した寒害果と同様の果肉部異常症状を伴う果実を得ることができた。果実の品質のうち比重をみると,正常果と異常果の間に明らかな違いがみられた。さらに現地で発生した寒害果と人工的に低温処理した‘せとか’の品質を比較した結果,果重や色調は一定の傾向はみられなかったが,比重において平均値と比重区分別の出現割合においては酷似していた。これらから技術開発時に不可欠な果実サンプルを計画的かつ大量に供給できる可能性が示唆された。(著者抄録)