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J-GLOBAL ID：201502219853577709   整理番号：15A1259912

電子スピンを用いたNMR分光・MRI高感度化技術:不対電子を用いたDNPと光励起三重項電子を用いたDNP

著者 (1件)： 根来誠 (大阪大)
資料名： 電子スピンサイエンス
号： 25  ページ： 90-95  発行年： 2015年09月15日 
JST資料番号： L7828A  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： NMR分光の感度は核スピンの分極率に比例する。核スピン分極率を不対電子のスピンの共鳴周波数のマイクロ波を照射することで向上させた動的核分極(DNP)の基礎原理とこの方法を用いた主な測定例を示した。この方法で必要な液体ヘリウム以下の超低温と強磁場を保つために大型の装置を用意しなければならない。この問題を解決したのがHenstraらのペンタセンなどの光励起三重項電子のスピンを利用するトリプレット(三重項)DNPである。ペンタセンでは温度と磁場に依存せずに電子スピン分極率が73%と非常に高くなるので,この分極率を陽子などの原子核に反映させれば高感度NMRを室温でも得られる。ペンタセンのほか,p-テルフェニルを用いた陽子磁気共鳴,2,3,4-トルフルオロ安息香酸や5-フルオロウラシルを用いたフッ素19NMRなどの例を解説した。

シソーラス用語： NMR【磁気共鳴】 ,  感度 ,  *核スピン ,  *分極率 ,  不対電子 ,  *電子スピン ,  共振周波数 ,  *マイクロ波照射 ,  *核分極 ,  超低温 ,  強磁場 ,  *陽子磁気共鳴 ,  光照射 ,  励起状態 ,  *三重項 ,  室温 ,  弱磁場 ,  *フッ素19NMR ,  窒素複素環化合物 ,  有機フッ素化合物 ,  ウレア化合物 ,  ヒドロキシ化合物 ,  芳香族炭化水素 ,  ポリアセン
準シソーラス用語： *トリプレットDNP ,  *動的核分極

分類 (3件)： 分子構造と性質の実験的研究  (CB01020I) ,  有機化合物のNMR  (BM07044Q) ,  電子核二重共鳴  (BM07072P)

物質索引 (4件)： 2,3,4-トリフルオロ安息香酸 ,  5-フルオロウラシル ,  p-テルフェニル ,  ペンタセン

引用文献 (27件)：

• Overhauser, A. W., Phys. Rev. 92 (1953) 411-415.
• Jeffries, C. D., Dynamic Nuclear Orientation (Interscience Publisher, New York, 1963).
• Abragam A. and Goldman, M., Nuclear Magnetism - order and disorder (Clarendon Press, Oxford, 1982).
• Wind, R. A., Duijvestijn, M. J., Vanderlugt, C., Manenschijn, and A., Vriend, J., Progress in NMR Spectroscopy 17 (1985) 33-67.
• Maly, T., Debelouchina, G. T., Bajaj, V. S., Hu, K. N., Joo, C. G., Mak-Jurkauskas, M. L., Sirigiri, J. R., van der Wel, P. C. A., Herzfeld, J., Temkin, R. J., and Griffin, R. G., J. Chem. Phys. 128 (2008) 052211.

タイトルに関連する用語 (9件)： 電子スピン ,  NMR ,  分光 ,  MRI ,  高感度化 ,  不対電子 ,  光励起 ,  三重項 ,  電子