抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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シリコンは,現在の産業に必要不可欠な材料であるが,現在,その物性限界値に迫ろうとしている。物性限界値に近づきつつあるシリコンをさらに高性能化させようと多くの研究が行われている。筆者等は,シリコンを微細化(ナノワイヤ化)し,量子閉じ込め効果によってバンドギャップを拡大することで,太陽電池の変換効率を向上させることを目的としている。ナノワイヤ化したシリコン試料のXRD,ラマン散乱分光,分光透過率,反射率および光音響分光法(PAS)測定を行った。XRDパターンやラマンスペクトルからは,多結晶ナノワイヤ化した後の試料では,大きな変化は確認できなかった。分光透過率および反射率から求めた吸光度やバンドギャップは,測定に不適当であることが確認された。これは,試料のナノワイヤ化の影響を受け,光の散乱が増加し,信号の検出に影響を与えたためである。PAS測定を行った結果,このような光の散乱の影響を無視し,試料の吸収特性を直接得ることができた。バンドギャップは,ナノワイヤ化した試料のナノワイヤの直径が量子効果を発現する直径よりも大きかったことから,バルクの特性と同じであった。しかし,ナノワイヤ化したために,光を吸収する体積が減少し,その結果,光音響(PA)信号強度に影響を与えている可能性が高いことが分かった。