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J-GLOBAL ID：201502222944261453   整理番号：15A0658717

放射性セシウムの農作物への移行について

著者 (1件)： 大野剛 (学習院大 理)
資料名： 化学と教育  (Chemistry & Education)
巻： 63  号： 5  ページ： 236-237  発行年： 2015年05月20日 
JST資料番号： G0942A  ISSN： 0386-2151  CODEN： KAKYEY  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 2011年3月11日の東日本大震災の津波に起因する東京電力福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性セシウムの農作物への移行(転流)について解説した。汚染土壌から吸収された放射性セシウム(137Cs)が,植物のふるい管などを通じ新芽や果実などの新生器官への移行が水田の玄米,果樹園の柿の樹皮,梅,ほうれん草で観察され,その現象を説明した。地表9cm以浅の地表土壌に137Csが高濃度に分配され,果樹の根は通常表層から15cm以下であるため比較的影響を受けにくいことを明らかにした。高圧洗浄による柿の樹皮の除染対策で,果実中の137Csが半分程度に減少できることが分かった。セシウムと同族のカリウムを使用した交換性カリウムによる玄米への移行が抑制されることも報告した。

シソーラス用語： *セシウム同位体 ,  *放射性同位体 ,  セシウム137 ,  *農作物 ,  *放射性汚染物質 ,  放射能汚染 ,  環境放射性核種移動 ,  放射線生態学 ,  放射能除染 ,  放射能放出 ,  転流【生体】 ,  カリウム ,  土壌物質動態 ,  震災 ,  ふるい管 ,  玄米 ,  カキ ,  ホウレンソウ ,  ウメ ,  *土壌汚染 ,  土壌汚染物質 ,  交換性カリウム ,  東日本大震災 ,  交換性塩基 ,  *セシウム放射性同位体 ,  移動 ,  除去 ,  汚染物質
準シソーラス用語： 置換性塩基 ,  *放射性セシウム ,  放射性汚染

分類 (3件)： 核化学・放射化学一般  (CB10010V) ,  植物での代謝と蓄積  (EK03030K) ,  環境の汚染及び防止  (MB02030K)

引用文献 (4件)：

• 村松康行,杉山翠,大野剛,佐藤陸人,佐藤守,日本土壌肥料学雑誌2014,85,117.
• T. Ohno, Y. Muramatsu, Y. Miura, K. Oda, N. Inagawa, H. Ogawa, A. Yamazaki, C. Toyama, M. Sato, Geochem. J. 2012, 46, 287.
• 佐藤守,日本土壌肥料学雑誌 2014,85,103.
• Y. Fujimura, Y. Muramatsu, T. Ohno, M. Saitou, Y. Suzuki, T. Kobayashi, Y. Ueda, K. Yoshioka. J. Environ. Radioact. 2015, 140, 59.

タイトルに関連する用語 (3件)： 放射性セシウム ,  農作物 ,  移行