抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
電子線を高分子材料に照射すると,ラジカル開裂により高分子ラジカルが生成する。ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維は,一般にパラ系アラミド繊維と呼ばれ高い力学強度,耐熱性,難燃性を備え,消防服などの防護服への応用が期待されているが,分子鎖の配向性が高く高結晶性であるため,繊維内部に染料を拡散することができず,染色が困難である。また,複合材料の強化繊維への応用を考えた場合,芳香環にアミド結合と化学的に不活性の構造であり,複合材を作る相手のマトリクス樹脂と化学的・物理的結合が困難である。染色性を向上させるため,電子線グラフト重合によりパラ系アラミド繊維表面に染料が染着できる高分子層を形成した。アクリル酸のグラフト重合により,繊維にアニオン性のカルボキシル基が導入され,カチオン染料とイオン結合できるようになり,繊維の染色性が向上する。パラ系アラミド繊維の樹脂に対する接着性を向上させるため,繊維表面にメタクリル酸グリシジル(GMA)をグラフト重合した。GMAのグラフト重合により繊維表面にエポキシ基を持つ高分子鎖が導入されると,複合樹脂を作る際,エポキシ樹脂の硬化時に繊維表面のグラフト鎖と樹脂が化学的に結合し,樹脂とマトリクス樹脂との界面接着性が向上する。