抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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レドックスフロー電池の最近の研究開発状況と著者等の電極相界面における電気化学反応促進のための開発の成果について述べた。初めに,同電池の原理と構造,電極面積依存の電池出力と電解液量依存の電池容量等の特徴,開発の経緯(鉄-クロム系,バナジウム系),コスト目標と用途(電力貯蔵等),および内部抵抗(過電圧)の低減ほかの課題を説明した。次に,多孔質炭素電極と電解液間の相界面極限利用を試みた単セル電池の電流-電圧特性を示し,櫛歯流路構造による活物質の移流供給方法が良いこと,電極の炭素ファイバーの熱処理による反応活性の向上や実効電極表面積の増加等の効果を考察した。さらに炭素ファイバー電極周りの反応流動解析について,モデル図(多孔質正/負電極,電解質膜,集電体,硫酸水溶液,9化学種)と基礎方程式(連続の式,Darcyの式,Nernst-Planckのイオン種輸送式,Butler-Volmerの電極反応式等)を提示した。同解析による放電(電流-電圧)特性を図示し,濃度境界層の物質輸送抵抗を考慮すれば解析値が実験値と合うとした。また,正/負極の導電反応,電解質膜,界面輸送等の過電圧要因を分析し,各要因が同程度であり,反応過電圧が比較的小さいこと,イオン輸送と電子輸送のオーム抵抗が大きいこと等の結論を得た。導電率改善のための電解質膜の薄膜化を図る高分子構造設計や相界面輸送抵抗過電圧低減のための電極表面積の増加や電極内流動の均一化等の必要性を指摘した。