抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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コムギ及びオオムギのムギ類黒節病に対する品種毎の罹病性程度を把握し,品種別の防除方法の検討や抵抗性品種の開発に使用する方法として,幼苗鞘葉接種法の利用可能性を検討した。国内のコムギ15品種およびオオムギ11品種に対する発病割合を調査した結果,コムギでは,1品種を除きすべての品種が85%以上の割合で発病した。一方,オオムギでは,80%以上の株が発病する品種がある一方で10%以下の株しか発病しない品種もあった。また,黒節病菌40菌株を発病割合の多かった「カシマムギ」と少なかった「すずかぜ」に接種した結果,両品種で発病が認められなかった4菌株を除く36菌株で「すずかぜ」より「カシマムギ」の発病割合が高かったことから,オオムギにおける発病割合に供試菌株による違いは影響を与えないことが示唆された。これらの結果から,オオムギでは幼苗鞘葉接種法によって黒節病罹病性の品種間差異を明らかにできる可能性が示唆された。(著者抄録)