抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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PM
2.5の炭素成分の測定に使用する石英繊維フィルターは,ガス状OC(OC
G)を吸着し粒子状のOCを過大評価する(正のアーティファクト)。本研究では,埼玉県加須市において活性炭デニューダを用いてOC
Gを除去したサンプリングを,一般に行われている活性炭デニューダを用いないサンプリングと同時に行い,OC
Gの吸着の度合いやその季節変動を考察した。その結果,OC
Gの季節平均は0.26μg/m
3(秋季)~0.42μg/m
3(冬季)の範囲で季節間の差は小さかった。OC
Gをフラクション別に見ると,全般的にOC
Gの7~9割程度がOC1とOC2に存在した。デニューダなしのOCに占めるOC
Gの割合(OC
G/OC比)は,OCが2μg/m
3以下のときに高くなったことから,OCが低濃度のときは正のアーティファクトの影響が大きいことが明らかとなった。OC
G/OC比をフラクションごとに見ると,OC1は他のフラクションに比べて高く,次いでOC2が高かった。試行として,デニューダなしで測定されたOCにおいてガス状OCの吸着がどの程度影響しているかを推定するため,本研究で得られたOCとOC
G/OC比の関係により,OCからOC
G/OC比を求める関係式を求めた。(著者抄録)