抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ヤマブシタケ,ナメコ菌床栽培において,培地調製時に多糖分解酵素を添加することによる子実体形成,培地中のグルカン類の含量に及ぼす影響を検討した。ヤマブシタケ栽培ではアミラーゼ(中温性:MPA,耐熱性:HRA)を添加することにより子実体収量は無添加区の1.4倍に増収した。β-1,3-グルカナーゼ(GLU)の添加はアミラーゼと同様に作用し,無添加区の1.5倍に増収した。HRAとGLUを混合して添加した場合(HRA+GLU)では,混合による効果を示さなかった。ナメコ栽培では,MPA,HRAを50-500ppm添加することで子実体収量は無添加区の10-20%増収し,発生する子実体は大型化した。GLUは添加効果が認められなかったが,HRA+GLUではHRAのみの添加より子実体収量が多くなり,相補作用が認められた。MPA,HRAの添加によりヤマブシタケ,ナメコの両培地共に遊離グルコース,低分子α-,β-グルカンの含量が増加した。ナメコ栽培では,GLUの添加により遊離グルコース,低分子α-,β-グルカンの含量に変化はなく,ヤマブシタケ栽培ではGLUの添加によるグルカン類含量の変化はアミラーゼと同様の傾向を示した。これらグルカン類含量の変化は子実体収量の結果と符合した。食用きのこ栽培において,栽培するきのこ種に応じて多糖分解酵素の組み合わせを検討することにより,培地調製時に多糖類分解酵素を添加することは有用な栽培方法になるものと考えられる。(著者抄録)