抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
1859年というと観測史上最初で最大の太陽嵐「キャリントン・イベント」が起こった年です。このとき西半球ではハワイやカリブ海等普段オーロラが見えないはずの場所までオーロラが観測され,世界各地で巨大な磁気嵐が観測されました。しかしその一方,東半球でのオーロラの挙動は当時その地で体系的な近代科学観測が行われていなかったことから,必ずしもその実態がよくわかっていませんでした。そこで本研究では同時代の歴史文献を当たり,関係のオーロラ記述から,東アジアにおける磁気嵐の規模推定,磁気嵐とオーロラ観測の時間の対応,当時の天気による影響の3点を検討しました。この結果,キャリントン・イベントの磁気嵐は東半球でも西半球と大差ない規模でオーロラを発生させ,そのタイミングも既知の磁気擾乱のタイミングと矛盾しないものであることがわかりました。この結果はまた,歴史文献に記された近代観測以前の太陽嵐や磁気嵐についての研究の可能性を開くものでもあります。(著者抄録)