抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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野外焼却の実態とPM
2.5濃度への影響を明らかにするため,本研究ではいくつかの解析を行った。埼玉県内の自治体における野外焼却に関する苦情やパトロール結果の記録件数を集計したところ,秋季に高くなる傾向がみられた。2011年10月から2014年9月に加須で短期基準(日平均値35μg/m
3)を超えた日数を月ごとに集計すると,秋季から冬季にかけて多かった。このなかでPM
2.5が顕著に高濃度となった4事例について成分分析結果を比較した結果,主要成分ではいずれもOCとNO
3-が高く,また,バイオマス燃焼や廃棄物焼却の影響が示唆された。一方,PM
2.5高濃度と気象要素の関連性を調べた結果,弱風や高湿度,大気安定といった気象条件が影響していることが示唆された。また,ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)への投稿において“野焼き”というキーワードの検索でヒットした件数が,休日や降水前日・当日に上昇するケースが多くみられ,その前後にPM
2.5も上昇しているケースがみられた。これは,農作業の状況,河川敷や山などでの草焼きの実施と関連していると考えられた。こうした秋季・冬季にPM
2.5が高濃度になりうる条件についてスコア化し,短期基準超過日に適用してPM
2.5日平均値と比較したところ,おおむね正比例する傾向がみられた。(著者抄録)