抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
2020年に帰還が予定されている「はやぶさ2」が持ち帰る有機物に富む地球外物質の分析のために現在開発中の分析システムについて解説した。小惑星リュグウからの試料の分析においては,始原的な物質の系統分析により,先太陽系から初期太陽系最初の100万年までの物質科学的進化の解明,小惑星形成時の有機物の形成過程と化学反応機構の解明,含水鉱物の分析による母天体の水-岩石比率,水の化学的性質の解明,衝撃変性とダスト形成における小惑星表層の水の役割の解明,地球の水の起源の解明などを目標としている。そのための分析装置として,収束イオンビーム装置,透過型電子顕微鏡,ナノスケール走査型二次イオン質量分析器を組み合わせたリンケージ分析法を開発している。さらに試料中に大量に含まれる有機物も含めた同定を行うことのできる非破壊分析法として,放射光三次元X線回折分析,走査型透過X線顕微鏡を用いたXANES分析,FTIR分析,Raman分光法などを組み合わせることにより,物質の局所的な分子・化学構造もわかると考えられる。またmmサイズの粒子を測定するための加工法や分析手法も検討する必要がある。これらの技術と異なる研究機関との連携により太陽系始原物質の解明が進むと考えられる。