抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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電力線通信(power-line communication,PLC)は,電力線を電力だけでなく通信用の線路としても使う技術であるが,電力線に限らず遍在するワイヤに適用しようする試みが行われている。無線が使いにくい船舶内や,ハーネスを削減するための自動車内がよい例である。しかし実用化段階で課題になるのが,EMC(電磁両立性)である。通信専用線ではないため,信号の一部は漏洩する(与干渉)し,逆に誘導ノイズの影響も受ける(被干渉)。ノイズを出す側と受ける側の間でのコミュニケーションは通常できないので,両立しているかどうかは知りえなかった。さらに,従来のEMC規格では,機器単体のエミッションレベルを規定しても総量は制約されないし,想定していない状況に電磁環境になったときのイミュニティ性能は保証できなかった。今後,分散電源等のパワーエレクトロニクス装置やIoT(モノのインターネット)デバイスは爆発的に増えるであろうし,自動運転式のロボットに人命を託す機会も増えるであろう。こうした状況下でも安全安心に暮らすためには,「ICTを利活用することによって,もうすこし気の利いたEMCを実現」できないでしょうか,というのが本稿で提起する「Smart EMC」である。本稿では,機器間のコミュニケーションや電磁環境のモニタリング手段としてPLCを使うことを提案する。筆者らが,電気学会の調査専門委員会にて行なっているSmart EMCに関する議論の一部を紹介する。(著者抄録)