抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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「ロボットは東大に入れるか」において開発されたプログラムは問題に書かれている文や図を理解しないにもかかわらず,人間の受験生の75%の成績はそれに劣る。本論文では,教科書や新聞から採った50~200字程度の短文を正しく読み解けるかを問うリーディングスキルテスト(RST)を高校生に対する短文の読解力調査に利用し,意味を理解しないAI(Artificial Intelligence)に敗れた理由を考察した。まず,RSTには文の表層的な情報を読み取れているかを測るタイプとして,1)係り受け認識,2)照応認識,3)同義文判定がある。また,文の意味を理解して正しく推論を実行できるかを測るタイプとして,i)推論,ii)イメージ同定,iii)具体的認識があり,どのタイプでも正答率が85%を超えるならば意味を理解して文を読んでいるといえる。公立の中高校生5933人に対する調査では1)~3)に比べてi)~iii)の正答率が低く,ランダム解答よりよいとはいえない生徒の割合が高く,AIに代替されやすい読解力の身につけ方をしていた。意味を理解できずにセンター模試の偏差値が57を超え,論述でも人間を超えたAIの開発を踏まえてエビデンスに基づく教育システムを再構築する必要性を論じた。