抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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食品加工における加熱処理は太古から使用されているが,食品加工への高圧処理は1987年から開始されたばかりでまだ30年しか経過していない。この高圧処理は非加熱的食品加工技術の1つで,数千気圧(数百MPa)の静水圧を利用する高圧処理技術が注目されている。最近では,栄養成分の損失および異臭・異常物質の発生を可能な限り減少させ,賞味期限を延長させるナチュラル志向食品の利用が進んで,世界中で種々の高圧加工食品が市販されている。しかし,高圧処理に伴う生体高分子の変性挙動は分子運動の激化による変性を導く加熱処理と異なり,生体高分子に静水圧を施すと,系全体の体積を減らす方向に変化が起きるために,その立体構造が変化し,さらに,圧力を俗化させると不可逆的に変性する。ここでは,食品高圧加工の基礎および応用として高圧処理による食肉タンパク質の改質と物性改善について概説した。内容としては,1)はじめに,2)高圧処理による筋肉蛋白質の構造変化と食肉の軟化,3)重曹・高圧併用を用いた食肉加工品の物性改善技術の開発,および4)おわりに,の各項目について解説した。