抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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【目的】災害時の栄養に関する今後の教育を考える上での基礎資料とすることを目的に,全国の管理栄養士養成大学の学生の知識の現状と食に関するボランティア活動への参加希望状況を把握した。【方法】2014年10月に,全国の管理栄養士養成課程を有する四年制大学124校の公衆栄養学,給食経営管理論,臨床栄養学の担当教員の授業を受講した学部生を対象に,質問紙調査を行った。【結果】59校4,403名の学生から回答を得た。「避難所における栄養の参照量」や災害法規については,学年が上がるにつれて理解している者の割合が増えるものの,半数近くの学生が理解していなかった。また,東日本大震災の際,自治体や日本栄養士会の管理栄養士・栄養士が被災地に派遣されたことを知っている学生は2割にとどまり,知った経緯としては「先生に聞いた」が7割以上を占めた。一方で,災害時に大学を拠点とした食に関するボランティアをしたい,と回答した学生は84.9%であった。【結論】災害支援の基本となる知識や管理栄養士等の活動については,大学で教えない限り知る機会は少ないため,授業や実習先での教育が特に重要になる。一方で,多くの教科書に掲載されており,授業でも触れられる機会が多いと考えられる栄養の参照量であっても,4年生の43.5%が「言葉も聞いたことがない」と回答していたのは問題である。今後は,授業で触れるだけではなく,知識として定着しているか,教育効果の確認も必要となる。(著者抄録)