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J-GLOBAL ID:201702264583710571   整理番号:17A0486403

自家不和合性の樹木クリにおける開花フェノロジー:二重雌雄異熟性(duodichogamy)

Flowering phenology of a duodichogamous self-incompatible tree species, Castanea crenata
著者 (4件):
資料名:
巻: 67  号:ページ: 31-39  発行年: 2017年03月30日 
JST資料番号: G0845B  ISSN: 0021-5007  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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落葉広葉樹クリの開花フェノロジーは,個体内で雄花→雌花→雄花の順に開花が進む二重雌雄異熟性(duodichogamy)である。しかし,自然個体群内におけるクリの開花パターンとその開花様式の適応的意義はこれまでに明らかになっていない。本研究では,自然個体群におけるクリの開花フェノロジーを,調査用やぐらを使って8個体について詳しく調査した。さらに49個体について2種類の雄花の開花期間を調べた。詳しく調査した8個体の内,5個体では雄花群→雌花群→雄花群の順に開花し,他の3個体では先に咲く雄花群,後に咲く雄花群あるいは雌花群の,いずれかの花が同時に開花した。また,8個体の全てにおいて2種類の雄花群と雌花群の開花時期は互いに重複していた。さらに,8個体の開花数をプールして個体群内の開花フェノロジーを見ると,雄花群と雌花群の開花は,2種類の雄花群を足し合わせた時に,より一致の程度が高くなった。また,個体群内における全57個体の開花時期はそれぞれ大きく重複していた。これらの結果から,自家不和合性の樹木クリの開花フェノロジーは,自家受粉の回避というよりは,他家受粉の促進に寄与していると考えられた。(著者抄録)
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分類 (2件):
分類
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植物生態学  ,  生殖 
引用文献 (19件):
  • Bai WN, Zeng YF, Zhang DY (2007) Mating patterns and\npollen dispersal in a heterodichogamous tree, Juglans\nmandshurica (Juglandaceae). New Phytologist, 176:699-707
  • Hasegawa Y, Suyama Y, Seiwa K (2009) Pollen donor\ncomposition during the early phases of reproduction revealed\nby DNA genotyping of pollen grains and seeds of Castanea\ncrenata. New Phytologist, 182:994-1002
  • Hasegawa Y, Suyama Y, Seiwa K (2011) Difference in pollen\ndonor composition during the early phases of reproduction\nas revealed by DNA analysis of pollen grains and seeds in\nthe monoecious tree Castaena crenata. In: Isagi Y, Suyama\nY (ed), Single-Pollen Genotyping, 33-46. Springer Japan,\nTokyo
  • Hasegawa Y, Suyama Y, Seiwa K (2015) Variation in pollendonor\ncomposition among pollinators in an entomophilous\ntree species, Castanea crenata, revealed by single-pollen\ngenotyping. PLoS ONE, 10:e0120393
  • Kikuchi S, Shibata M, Tanaka H, Yoshimaru H, Niiyama\nK (2009) Analysis of the disassortative mating pattern\nin a heterodichogamous plant, Acer mono Maxim. using\nmicrosatellite markers. Plant Ecology, 204:43-54
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